帰路の夕景
腰国改修

風が吹いていないのに
道路沿いに植えられた背の低い植物群が
多分、何百万枚もの小さな葉を従えた
何万本もある細い枝を
台風が過ぎ去ったばかりのように
すべて同じ方向に振り上げているのだ
まるで、全員でほらあそこを見ろ
初夏の星座の何とかだ!
馬鹿らしくて私はそれでも見上げた
夕暮れ真っ青な東の空を背景に
小豆色の電車がいつも通り美しく
騒音を立てながらけたたましく
京都に向かって走り去って行った
夏なんだ


自由詩 帰路の夕景 Copyright 腰国改修 2018-06-16 18:18:34
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