黒いヒョウ
やまうちあつし

深夜
トイレに行こうと
リビングを通ると
ソファの上に
黒ヒョウがいる
最近夜中に
庭をうろついていることは
知っていたけれど
とうとう中まで入ってきたのか
さすが
食肉目ネコ科
柔らかな体毛と
しなやかな身のこなしで
少しのすきまがあれば
するりと通り抜けるのだろう
耳が尖っているので
さっきの音も聞かれたかもしれない
刺激しないよう
足音を立てずに
通り過ぎようとするが
黒ヒョウは音もなく
フローリングに着地
こちらに歩み寄ってくる
喰われる
私は
目を閉じる
リビングもジャングルも
変わりがない
翌朝
私は発見される
抱きまくらにしがみつき
眠りこける姿で
家人は笑う
口だけで


自由詩 黒いヒョウ Copyright やまうちあつし 2018-06-14 11:19:33縦
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