14歳の詩
ミナト 螢

君が落とした命の代わりに
星が美しく見える夜だった

まだ若かったのにという声を
うまく飲み込めずに私達は
胸ポケットのハンカチを湿らせ
君の唇に紅を塗ったよ

初めての化粧はどんなものなの?
手鏡を見せて話しかけても
背筋が伸びた綺麗な姿勢で
忘れ物のない旅に出るのだ

学校へ行くと空席が目立ち
屋上でサボる私も一人
昨日に区切りを付けられなくて
それでも給食のメニューは変わる

少しずつ生徒が戻って来ると
余ったデザートを争う時は
君が男子とじゃんけんしたことを
笑いながら話せるようになった

君と同じ本を読んで過ごせば
二人分の涙が流れるね

帰り道で口ずさむメロディが
君の声と重ねたら綺麗でも
私には高くて唄いにくい


自由詩 14歳の詩 Copyright ミナト 螢 2018-06-09 09:28:18
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