最後のひとくち/即興ゴルコンダ(仮)投稿
こうだたけみ

死はいつか必ず訪れるし誰にも取られやしないんだから焦って迎えにいく必要はなくって息してるんなら生きてることをとりあえずたのしんどこうって思う私はすでにたの死んでいます田が染んでいますタガはずれますタニシ倦んでます谷沈んでます多肉枯らします他に生かされてますから息して生き〈詩〉て活きてマスカラ。

まつげ抜け落ちたまぶたには必要のない黒とかこげ茶とかのベタっとした液体が乾いて指でこそげ落として爪の間に挟まったカスみたいになった私のまつげはどこですか目の中ですかそうですか。

かつて目に入れても痛くないと思われたこともあるかもしれない私なら長女ですから美味しいものは最後まで大事にとっておく派なんです美味しそうだからって盗らないでよね、私の詩。万が一にもシを取り上げられてワタになったら綿毛になりたい風上に向かってふっと息ふきかけられて子供の柔らかい髪にまとわりついたあの綿毛になりたいんだよ、わた詩の死。


自由詩 最後のひとくち/即興ゴルコンダ(仮)投稿 Copyright こうだたけみ 2018-06-07 21:05:30
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