夜ノ声
ミナト 螢

空と海の色が同じになると
星が綺麗に見えるから好きだ

孤独な人が失くした明日を
ポケットに入れて渡せたらいい

心で感じる自由がなければ
優しくすることはできないよね
虫一匹の命が重たくて
フマキラーの缶を枕にした

傘には四人しか入れずに泣く
五人目の君が心配だった
雨に打たれて六月の花嫁
七色の虹とヴァージンロード

朝まで飲める口実ができて
僕が待っている理由もなくて
重たい荷物をトランクにしまい
タクシーに乗って帰っておいで

目覚まし時計が鳴る前に止めた
君の気配を背中に感じて

空と海の色が分かれてゆくと
人の顔が良く見えるから好きだ


自由詩 夜ノ声 Copyright ミナト 螢 2018-06-04 21:38:40
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