未来記念日
ミナト 螢

制服のスカートが燃やされて
プリーツを失くした黒い籠に
君という青い鳥が止まった

灰色の煙に巻かれた空は
タバコのせいで暗くなったのだと
先生に告げるつもりなどない

格好悪い所を見られたけど
こんな日は一人になりたくなくて
君を喫茶店に誘う理由が
当然のように出来てしまった

君が差し出した鏡の前で
髪型を直すなんて恥ずかしい

穴の開いたスカートではきっと
大人たちの目が丸くなるかもね

子供が一緒に遊べる場所は
太陽の下の公園くらいで
もう少し大きくなったらいつか
新しいスカートを買いに行こう

二人だけの秘密にしようとして
鞄の中の深いポケットに
大きなデパートのある駅までの
切符を入れて大切にする


自由詩 未来記念日 Copyright ミナト 螢 2018-05-23 16:19:53
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