羽撃く唇
ハァモニィベル

唇が羽ばたいて美しい言葉を吐くとき
肺が搾る情熱のあぶくは音をかき鳴らす
心臓の歯車がきなぐる視界のそのずっと奥まで
背中を押し続ける真実が、今キリキリと君に発火する

目を開ければ、浮上する君と僕だけの風に
足下に沈んでゆく硬くなった生命の声が
喉を詰まらせた咆哮を遠く微かに震わせる

目蓋の裏で溺れ続ける幾つもの
血塗れな機械仕掛けの存在の声すら
片手に勁く握られた炎の重みに加わってゆく

血を流しても
肉を甦らせることがない永遠の街が
掌を返した冷たい底に
後頭部ばかりを撒き散らしている











Note:/
(本作は、フォーラム内の某スレの企画の趣旨に沿って、下記リンクの作品を受けて創作した作品です。
https://po-m.com/forum/thres.php?did=196983&did2=168


自由詩 羽撃く唇 Copyright ハァモニィベル 2018-05-19 02:57:25
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