みあげれば星、みおろせば街灯り。
秋葉竹




星の光が時を教えてくれる。

まだ1週間もたたないから
山頂から見た星をおぼえている。

夜風はまだ少し冷たくて、
あなたは小さな声を、
(寒い)
僕をみあげてそっと唇からこぼす。
 
星は
かけがえのない刹那の煌めきを
僕たちふたりのみつめあう時間に
ふりそそいでくれる。

蒼い繊月(せんげつ)は
割れちまった
蒼いガラスの花瓶の欠片の繊細さを
僕たちにおしえてくれる。

遠く地表に網の目の街灯りを眺めながら、
ふたりてのひらを、しっかりと握り締めあう。

せめて夜が明けるまでは
ここで、
星たちのおしゃべりを聴かせておくれよ。
 
いつの時代も、
ゆっくりと歩くことを忘れないで、

つらい目にあっても、新たに笑いなおし、
新鮮な1日は、そうすれば、手に入る。







自由詩 みあげれば星、みおろせば街灯り。 Copyright 秋葉竹 2018-05-19 01:20:36
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