新しい時間
ヒヤシンス


 新しい時計が時を奏で始めている。
 今日海へ行った。
 あなたは無邪気な子供のように、小さなカニの居場所を僕に告げた。
 湿気を含んだ海風が僕らを包んだ。

 さようなら、僕の遠い日。
 水平線を眺めながら、心の奥の扉をゆっくりと閉める。
 こんにちは、僕の新しい日。
 海鳥が悠然と青い空に舞っている。

 毛の抜け落ちた心臓が静かに鼓動している。
 僕はほんのりと緊張している。
 自分のペースでのんびり行こう。

 風に煽られた波が飛沫をあげている。
 さあ行こう。僕らの新しい門出は海から始まるようだ。
 新しい時計が確実に時を刻んでいる。


自由詩 新しい時間 Copyright ヒヤシンス 2018-05-18 04:45:00
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