記憶の河に
こたきひろし

通り過ぎた過去の時間が垂れる雨粒になって
私の脳内の真綿に落ちて滲みるよ

君が私にしてくれた事
二人の子供を産んでくれた
私が君にしてあげられた事
二人の娘をその子宮に運んであげた

なのにどうして男と女は
気づけば背中を向けあっていた
だけど 我が子はすくすくと育ち
私の知らない間に二人とも
初潮を迎えていた

でも男はそんな事知らなくていいのさ
知らないふりをすればいい

なのにどうして男と女は
気づけば背中を向けあっていた

通り過ぎた過去の時間が垂れる雨粒になって
私の脳内の真綿に落ちて滲みる夜は
何だか寂しくなって
自棄に飲みたい気持ちになるよ

でも酒は飲むのを止めたんだ
埃を被って干からびているかもしれない私の命
それでも生きている間は
必死に生きていくのさ

心の真綿に寂しさが滲みて広がるばかりだけど


自由詩 記憶の河に Copyright こたきひろし 2018-05-17 06:44:34
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