木漏れ日の中、視界不明瞭
倉科 然



通学路、夏空から墜落したした機体の残骸で足の裏を切った

あの日の匂い立つ湿度や吹き抜けるからっ風を思い出すと
流れた血が止まらない
なめたら幼い頃の思い出の味がした

MP3が鼓膜を破る
夏の太陽が冷たすぎる

透過した水面に波紋を立たせるような
真っ黒な雲を突き抜けるような
情緒メイトリクスの中で四肢から切断した季節感
木漏れ日の中で視界不明瞭


自由詩 木漏れ日の中、視界不明瞭 Copyright 倉科 然 2018-05-15 23:17:33
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