ツリーのように
藤鈴呼


月が真っ二つに割れた夜
空を仰いで
これが下弦の月なんだよねと
呟いた

会話の中の匙加減は案外と難しく
ヤベエ!と思った瞬間に
間違ってイイネ!ボタンを
クリックしてしまったりする
シマッタ!の冷や汗も凍る季節
寒気団が少しずつ踊り始める

山が在るから
吹きおろしの風が溜まり
濡れているから
着込んだレザーのジャケットも
意味を為さない

ポツンと離れた星ひとつ
何て名前だっけえな
星座表をくるり動かすことが出来れば
確認できるのに
今 出来ることはと言えば
正座するくらい

膝の裏が しっとりと濡れて
痛いよと呟くから
組んだ足を 一度解いてやり直し
見上げたツリーのように
上手く編み込めたなら
最高なのにな

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自由詩 ツリーのように Copyright 藤鈴呼 2018-05-15 20:05:16
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