地霊達の起床/即興ゴルコンダ(仮)投稿
こうだたけみ

いやあっしはもうへりくだってへりくだって
地面に這いつくばっていっそケツに脳みそが
ありゃいいと思うんでサさっきへりくだった
自分と今へりくだってる自分とでへりくだり
合戦してるようなもんですからってしゃべり
つづける男は死んだ赤子を背負って首が回ら
ないのに舌はよく回るのね、あなたをお世話
したいでも子供の世話はしたくないって宣言
するカ行の男が稼業を追われてポン引きして
いるテントの布は誰が染めたか鮮やかな紅に
新緑の影が落ちてる桟敷へ這いつくばっては
47年ぶりの歓声をあげる愛染病院の患者さま
あるいは白衣の天使達の歌声を祝福している
バイクの轟音と腕時計のアラームは現実との
境目。うんわかってるいま起きるから。あと
五分、五分だけこのままで。

劇団唐組「吸血姫」観劇記


自由詩 地霊達の起床/即興ゴルコンダ(仮)投稿 Copyright こうだたけみ 2018-05-13 00:59:55
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