獣の季節
ミナト 螢

夕立ちに足を止められて
靴下が透明になる前に
ペットボトルの中で雨を拾い
飲み干したら空は明るくなった

時が動き出す瞬間を見ると
駅前の宝くじの行列が
アフターファイブで埋め尽くされる

濡れたアスファルトが乾くまでに
太陽はその光で人々を
ひまわりと同じ黒い影にする

僕は胃袋が膨らんだから
いつもより大きな影になって
ゴジラやティラノザウルスみたいに
帰る家さえ壊すかも知れず
何度もトイレを往復している


自由詩 獣の季節 Copyright ミナト 螢 2018-05-12 15:17:18
notebook Home 戻る  過去 未来