人間だから
こたきひろし

時に眼からこぼれでる涙と
時に傷口から流れ出る血とが
私の排水溝で合流するなんてあるんだろうか

私は謝りなく人間だから
時に心が歪んで誰かを憎悪するだろう
私は謝りなく人間だから
時に心が摩擦して熱を帯び誰かを愛してしまうだろう

私は限りなく人間だから
いずれ歳月に滅ぼされて
皮膚も内臓も
眼も耳も口も
そして正体の掴めない心も魂も
腐敗の時を向かえてしまうだろう

時間が巨大な口を開けて私の全てを
飲み込んでしまう日にも
私は人間だから
それが叶うなら
カップヌードルの麺を流し込んで欲しい

それが私の最後の晩餐でも


自由詩 人間だから Copyright こたきひろし 2018-05-10 06:22:50
notebook Home 戻る  過去 未来