草野春心



  わたしを欠いたまま
  わたしを欠くことで
  蛞蝓は 祭り路に垂れて

  三十二歳の
  女の唇のようなかたちの
  乾きが 丸くひらく

  信念の青さで糊をした
  包みの中に 在って
  ひどく柔らかい




自由詩Copyright 草野春心 2018-05-03 13:57:14
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