巨匠の言葉
ミナト 螢

年を重ねる度に見なくなった
鏡は曇って裸を隠す

芸術家は生と死をなぞり
命を燃やして作品を残す

誰かと争っているのではない
ただひとつの肉体に宿る
パレードをこの手で掴みたいから

逆上がりを忘れた公園で
記憶の虫が騒ぎ出すような
明日をきっと私は生きている

風が吹かなくても風になるよ
若さとは常に動いてゆける
健康な体と心があれば
それはもう黒髪よりも立派だ


自由詩 巨匠の言葉 Copyright ミナト 螢 2018-05-01 19:19:25
notebook Home 戻る  過去 未来