くちづけ
はるな


くちづけは乾いていて
忘れたころに香る
五月の庭は騒がしく潤み

ひらくたび
こまかく傷ついていく手のひらで
世界を泳いでいる
まだ知らない
なにも知らない
溺れるように街を掻き
知りたいようなそうでも無いような
顔をあげるたび
息をのみ

あなたのからだは街より広く
あかるい夢のなかで
くちづけは
息継ぎでした


自由詩 くちづけ Copyright はるな 2018-05-01 06:27:45
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