ヒマワリとしてやっています
ブルース瀬戸内

ヒマワリとしてやっています
根っこを広げて咲いています

ヒマワリとしてやっています
葉っぱだってこんなに広げて
太陽を向いているのではなく
太陽と宇宙の間を見ています

闇と光がせめぎ合う場所には
大切な物が隠れているかもと
仮説を立てて見ているのです

眩しい光ばかりを見ていると
下を向きたくなってしまうし
怪しげな闇ばかり見ていると
気になって首を伸ばすのです

ヒマワリとしてやっています
花はずいぶんと綺麗なんです
私が唯一誇れるものなんです

ヒマワリとしてやっています
根っこに悲しみが沁みていて
葉っぱに苦しみを宿していて
そんな状況で咲かせる花こそ
美しいと勝手に思っています

負け惜しみなんかじゃなくて
本当にそう思っているんです
悲しみは糧にはならないけど
苦しみは肥やしではないけど
私はそれを確かに持っていて
持っているから花を咲かせて
こんなに素敵な香りをさせて
存外に幸せかもしれないなと
思うと少し熱くなってきます

ヒマワリとしてやっています
光と闇の間にオレンジを詰め
光と闇の味方になったりして
そんな事を考えたりしながら
そっちを向いて咲いてみます

あとは私のスペシャルな蜜を
素通りする蜂を説教しようと
思ったりしているところです


自由詩 ヒマワリとしてやっています Copyright ブルース瀬戸内 2018-04-27 21:05:31
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