温度
氷鏡

内に冷たさを保っておけ
あらゆる熱を相殺し
暴走する思考回路を抑え付ける
そういった冷たさを保つのだ
同じ作業を繰り返すだけの機械に
下らぬ虚栄心をインストールし
つまらぬ敵意を見出させる
そんな熱など持つべきではない
熱など捨ててしまえばいい
できれば若くあるうちに
それが駄目なら、雨の降りしきる中に
自らを置いておくといい
そうすることできっとお前は
ああなんたる事かと後悔するだろう
永遠の冷たさに近づいていくことへの恐れよりも
ただの寒さがよっぽどお前を苦しめるのだから


自由詩 温度 Copyright 氷鏡 2018-04-27 04:28:24
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