葉小判
藤鈴呼


零れ落ちそうな笑顔が光る瞬間はと言えば
心地良い香りが漏れ聞こえるような湯気と
煌めく想いが触れ合う瞬間
少しでも重さが増せば
支えきれずに 落ちるのでしょう

ねえ 知ってる? 雪吊の方法
太い枝は 自ら雪を 支える力が在るからね
小枝こそ 吊らなければ イケナイのに
美しさに釣られて
本来の目的を 忘れてしまっちゃイケナイよ

放射線状に蠢くロープを 
何度 手繰り寄せても
真実には届かないって 知ってる

あの頂上までは 
どうやったって 昇れやしない
安全ロープも 下で支えてくれる綿もなく
ましてや 雨に濡れたもんでから
ぺしゃんこになって しまうんだから
憶えておいてね 小判の活用方法

狐が相手ならば 何とかなるかも知れない
狸が寝ていたら 無賃乗車 出来るかもよ

そのまま 終点まで 固いベンチに座ってさ
ホームの端にある 白い椅子と 同じ角度で

うっつら うっつら 居眠りしていたら
夢の先まで 辿りつけるのかもね

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自由詩 葉小判 Copyright 藤鈴呼 2018-04-24 09:45:57
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