山椒は
TAT
摘みたてである必要は無いが
ハウスやSBの顆粒になった小瓶では困る
道の駅の産直とかで買ってくればいいと思う
ざくじゃくと包丁で実を粗く微塵にして
あとは簡単だ
ピンクのお肉に
そいつをごろごろまぶして
片栗粉もごろごろまぶして
ざっと
ジャッと
揚げて
おしまい
鶏もも肉の山椒揚げ
揚げ時間は何分なのかとか
強火なのかとか
二度揚げなのかとか
そんなのは任すから勝手にやってくれ
何だったら僕はいつもレア気味に引き上げるんだ
塩も要らない
胡椒も要らない
だってさんしょうがあるんだものみつを
余談になるが
摘みたてではなくともやはり
瓶に詰めた去年の冷凍のでもいいから
自分で樹から一粒ひとつぶ
プチプチ獲って来た山椒の実を使った方が
旨いは旨いかもしれない
唇にピリピリと走る痛みに耐えながら
プラスチックのボウルに小さな小さな実を溜めてゆく
そういう労働の記憶の裏付けはやはり尊い
海の漁師と同じ理屈で
山の猟師と同じ道理で
自由詩
山椒は
Copyright
TAT
2018-04-23 19:08:25