隅田川、浅草方面
番田 


昨日川べりの道にいたのだ
でも sとたちどまっていた 昨日は
sと何かを考えていたのだ
だけど それは 僕がすでに考えていたことだった


そのこと自体は忘れてはいない
記憶の行き交う頭の中はそれ自体がすでに風景だ
だけど 今日は 渋谷をさまよっていた そのことが
僕は とても 久しぶりだったのだ


僕は しかし 様々な店を回った
今はビームスの洋服を買える金だけは持ち合わせていたのかもしれない
そして 僕は すでにそれを着られる程の年齢というわけではない
だから おとなしくそこから階段を降りていったのだろう


僕はすれ違う人の風貌を見ていたのだ
普段 一体 何をしている人なのかを そこでは
だけど うかがい知る事はできなかった だから
いくつもの角を見ては 僕も そこを 曲がってきたのだ



自由詩 隅田川、浅草方面 Copyright 番田  2018-04-22 23:52:30縦
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