記憶の切れはし
こたきひろし

短編の私小説を書きたくなった
その為には
記憶の切れはしを繋ぎ合わせて そこに架かる絶望と欲望の橋の上から
喜怒と哀楽の河を見おろさなくてはならない
一編の小説を仕上げるために

私のペンは遅く 私の諦めは早い
私の原稿には暗雲が垂れ込めインクの雨が降りだした
それは直ぐにやんでしまい
私の小説は未完のままに
私の新たな記憶の切れはしに加えられた


自由詩 記憶の切れはし Copyright こたきひろし 2018-04-20 22:21:08
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