およそ一万年後の東京都豊島区池袋
古具をふね

池袋の西口公園
 横たわる知識の死骸
 かつての栄華はもうどこにもない
 風とともに去ってゆく 崩落した本の切れ端

 高層ビルの屋上で飛び降り自殺をリフレインする若者達
本を飲み込んで、今もそこで成功者の夢を見ている

 商業移設の前で踊る乙女
 王子が来ることを待ち望みながら
 回り続ける 踊り続ける
 足元にあるトマトの残骸に気が付きもせず
 踊り狂う 踊り狂う
 大学で貰った単位なぞ、とうの昔に忘れてしまった。


自由詩 およそ一万年後の東京都豊島区池袋 Copyright 古具をふね 2018-04-10 16:38:35
notebook Home 戻る  過去 未来