そして今年も目黒川
番田 

目黒川へ桜を見に出かけた
もうすでに あの桜並木にも飽きてしまった気がするけれど
しかし 私の足は ペダルを踏みこむ時
力が入れられているような感覚がいつもよりもしたのだった


そんな気がさせられたけれど
坂を下った 私は 自転車を止めてから
いつ来てもそうするように桜並木を歩き出した 遊歩道は
あたかも天国のように 今年も思える道だった


浮足立つ人混みの中で 私は 一人だった   
スパークリングワインを口にしてはみたけれど
酸っぱくて 辛くて 想像していたよりも 
やや アルコールの度数は たぶん高めかもしれない


確か 去年はsと来た道だ
よく その前のことは思い出せない
来年は来ないのかも知れないと思う だけど
嫌気が とにかく この生活自体に私はさしていたのだった


自由詩 そして今年も目黒川 Copyright 番田  2018-04-02 00:14:22
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