生きているのがやっとなんだ
坂本瞳子

なんとも気分がすぐれない

することなすことすべてが中途半端で
誰かれ構わず八つ当たりをしたいくらいで
良いことなんてもう起きないのではないかと
そんな風にさえ思う

息をつく
肩の力を抜く
そんな方法は忘れてしまった

月に向かって吠える
そんなことはできず
ただ項垂れて沈んでゆく

まだもうしばらく
こんな感じでいるのだろう

だからお願いだ
誰も優しくしてくれるな

閉じ込められた瓶の底で
大の字を描いてうつ伏せになって
後ろ髪を逆立てて海藻のように揺らす
それでなんとか自らの生命を示す


自由詩 生きているのがやっとなんだ Copyright 坂本瞳子 2018-04-01 23:16:07
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