若林のルカちゃん
腰国改修

愛していたとあの男は思って今も生きているのだと思う。
突然酸欠で死ぬかと思った思い出ももう消滅しそう。
実際のところ数値が低すぎて治療してること多分知らない。
ドクターに罵倒されて診断書燃やされてしまった父。
人形の私は一晩で何度抱かれて十数万手に入れるだろう。
桐生の母に電話するための10円硬貨が数十枚道路に溢れて。
ビスクドールの隣の窓際に座ってあの男を見下ろす。
兎が剥がれるC級ホラー映画を見て笑う。ポテトチップス。
シリコンの鼻が冷たいのは嘘だけどあの男は信じてる。
頭の中を蜘蛛が這ってるんだよね。タブレット=錠剤。
白昼の小学校から唱歌が聞こえる松陰神社のすぐ近く。
聖ルカ伝って何?私のルカはイルカのルカだよ。
あと何度こんなことを話すのだろうためらうことを
思い出すまでね


自由詩 若林のルカちゃん Copyright 腰国改修 2018-03-31 23:49:10
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