やまがら
藤鈴呼


山雀の チュンチュクチュンと 近付きたるも いと愛し


竹を集めた細長箒で蜘蛛の巣取りをしようかと
少しずつ 近付いて行くと
可愛らしい音が響く
どうやら鳥らしい

以前は その頬の色から 
ホオジロかとも勘違いをしたが
ヤマガラと言う名の鳥である様子

何羽もいる
我が近付いていることを察知せず
唯だ 餌を求めて ついばんでいる大地には
枯葉の残りや 小石が 散らばっている

静かな恋が生まれそうなほどの ときめき
山の一部になってしまいたいような雰囲気

足を止める
ポケットからデジカメを取り出す

少しずつ 近付く鳥に
逃げるなよ と 静かに祈る
やわらかな時を求めて

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自由詩 やまがら Copyright 藤鈴呼 2018-03-30 21:52:01
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