山人


静かな日曜日だった
私は雨を見つめていた
雨は何一つ語ることなく、地面に降り注ぎ
そして何も主張することなどなかった
私と雨は窓を挟み、内と外に居た
それぞれが語るわけでなく
心と心を通わせ対話した
雨は私を按じていた
私が私を痛めつけることを見ていた雨だった
そしてひたすら雫を落とし続けたのだ
雨は、私の心も濡らし
あらゆる臓腑にまで降り注いだ
しんなりとした空間を提供し
私をずっと停滞させていた
雨だから。
私は雨をむしろ歓迎していたのかもしれない
暗鬱に降る雨だったが
私はそれをどこかで望んでいたのだろう

雨とカエルは同化していた
雨の湿度を感じたカエルは鳴き
それに呼応するように
しっとりと雨はカエルの皮膚を濡らし
悦びを与え続けていたのだ
カエルは言った
「ころころ」
雨に濡れた半開きの目をしたカエル
恍惚の表情で天を眺めるカエル

静かな日曜日だった
なにもしてはいけない
なにもしなくていいんだ
私はそうして静かにシュラフにくるまり
静かな日曜日の
雨の点滴をずっと聴いていた



自由詩Copyright 山人 2018-03-28 05:43:06
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