紅葉花
藤鈴呼


手首茎からパラアリと広がる
指の先に光る マニキュアの花

染まる色なら 勿論 紅
エキスをくれない?

首を傾げて聞きかじった枝が
ボンタンの先にポタンと落ちる

滴るのは霰 
アレ 今日は寒いから アラレが見えたの?

大きな眼鏡が丸いから
可愛らしいような気がしたけれど 垂れ目なの

その方が可愛らしいわよと パンダの溜息
黒か白か灰色か グレイの雲か

空を見上げる度 
もみじの朱さが目に染みる

色合いの空虚さを感じるのは
こんな瞬間

冷たい朝 ぬくい昼 
夜の温度は急上昇

風呂上りに加工する体温
布団でくるめば 幸せな気分に包まれる

少し 守られて いるような
錯覚を 抱きながら
紅葉の鼻先に 眉を顰める

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自由詩 紅葉花 Copyright 藤鈴呼 2018-03-24 08:54:54
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