慥かなこと
アザラシ


それは無条件にすり込まれた
教室の歪みに着席しても
開いた教科書の羅列が
惑うことなく正確だったように

正しいか錯誤か
二択だったセカイ
篩いにすらかけられず
それは無条件にすり抜けた

すんなりあっさり
それは僕に溶け込んだ
僕という人間の一部

20年もそのままに
それは僕のアタリマエだった


どうして疑わなかったんだ

それを?

僕の耳に届いた言葉を
辞書を
教科書を
愛を
憎しみを
無関心を
自分を
朝 目が覚めるということを

何もかもを。



自由詩 慥かなこと Copyright アザラシ 2018-03-22 11:31:07
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