鈍る感覚
ムウ

悴んでしまったかの様に
何も感じられない 指先
柔らかいのかい 硬いのかい
触れた先に何もない

歯が砕けてしまうかのように
鉄の錆びた味がする唇は
柔らかいのかい 硬いのかい
触れた先に何もない

酸素が失われた惑星(ほし)にいるように
何も通らない 匂いも酸素さえも
優しいのかい 悲しいのかい
吸い込んでも何も届かない

サイレントが当たり前な日常のように
木々や鳥や人々の声 些細な生活音も
鈍いのかい 敏感なのかい
他人に無関心で無機質で何も届かない

最後の力を振り絞り
飛び込む水の中容赦なくボクに入り込むのに
形あるものなのかい 形無きものなのかい
生きてる鼓動さえも 響かない


自由詩 鈍る感覚 Copyright ムウ 2018-03-18 12:21:30縦
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