たぬきの置物
灰泥軽茶

どこかの町の帰り道
駅に向かって歩いていると
ふと足元たぬきの置物が三匹目に入る
それぞれ違う楽しそうな
わははと笑い
おっとっと戸惑って
今にもおしゃべりしだしそうな
通り過ぎるには惜しくてくるりと振り向くと
お爺さんが一人出てきて
トラックおーらい
ハンドルおーらい
首を出しながら
もう一人出てきて
そらそら帰ってきたよと
楽しそうな三人が仕事に精を出していた


自由詩 たぬきの置物 Copyright 灰泥軽茶 2018-03-10 14:55:53縦
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