痛みは
藤鈴呼



目に見えないから
余計に 酷くなる

痛い 痛いと
必要以上に 騒ぐ人

ジッと堪える人
的確に 表現する人

それぞれの傷の大きさは
測れないから

比べることなんて
出来ないもの

傷を 舐め合えば
一瞬は 楽になる

乾いた瞬間
ピリリと音がする

痛みスパイスが
静かに弾け始める

良薬なんかじゃない
ジワリと滲み出す汗が

全ての結末を
描き出して行く

分け合えば 何時か
自らに 降りかかる痛みに

想像力を 働かせて
身を固くする

何処まで 持つかな
幾つ 持つかな

両手を広げて
材料を 計っている

音と 同じだ
不協和音は いけない

虹と 似ている
隣には 美しい色を

この傷が 一番に
映える姿を 考えて

それまでは じっと
蹲って 生きる

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自由詩 痛みは Copyright 藤鈴呼 2018-03-07 11:20:34
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