ジオラマを囲む大人達
藤鈴呼


幼い頃 自転車で潜り抜けたのは
大きな世界

低い位置から見上げた大人達は
もっと偉大に思えた

今 こうして 眼下に広がる世界を 眺めるにつけ
登頂した 全ての山と 尾根の流れを 
回想できる倖せを得たような 不思議な面持ちで 
一服をする

錆び付いたボディーに張り巡らされた
幾つものアンテナ

海風に やられているけど
助け声は 必ず受信するから 大丈夫

大きな手で 頭を撫ぜられるような感覚
少し 歯がゆくもあり 不快感も持ちながら
見据えた空

抜けるような雲は 何処までも白く
何を 卓越したら良いものか
ピンポン玉を 頭に 描きながら
もう一度 考えて見る

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自由詩 ジオラマを囲む大人達 Copyright 藤鈴呼 2018-02-26 09:39:12
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