雨上がりの
ヤスヒロ ハル

郵便受けに 虹が光っていた
空に沈んでしまった
まほろばからの便り

封筒に眠る妖精を剥がすと
中から懐かしい花のかおりが

≪こんなにも甘やかな手紙が
かつてあっただろうか?≫

わたしは新しい便箋を用意し
香水をふり、妖精をとらえて
虹が出るのを待った

まほろばは遠くない
明後日には届くだろう

妖精は無邪気に
いびきをかいて
残り香は優しく
その音を包んだ


自由詩 雨上がりの Copyright ヤスヒロ ハル 2018-02-23 08:14:06
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