透明
鷲田

白く色づいた道路の上を二本足の靴が行く
電柱
空気
星のカケラ

群れは距離の中に息づく苦しさに気が付かない
廻る足跡、round、around
歌は最大公約数の科学

鉛筆の芯が折れる
忘却した文字は伝達にはにかんだ
街は拮抗
ちつじょ

創造は感嘆を破壊する
極めて機械的な性質
生物の理
Лев Николаевич Толстой

吐き出された直接的な感情に落ちる刃
抜け殻に残された淡い情感

曲がり角でタバコを吹かす
時は騒めく
十本足の裸足が過ぎ去る
緊張が空間を縛る

透明になるアリ
去る


自由詩 透明 Copyright 鷲田 2018-02-21 22:20:37縦
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