風の誘い
坂本瞳子

窓掛の向こう
夜の闇の中
不意に風が雄叫びを上げる

想像してさえいないのに
身震いを覚え
窓辺を避ける

胸をざわつかせないよう
部屋をいつもより温かくして
なにごともなかったかのように

こんな夜は早く眠りに就いたほうがいい
火酒の力を借りてでも
深い眠りに堕ちたまえよ


自由詩 風の誘い Copyright 坂本瞳子 2018-02-17 21:44:19
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