クラムチャウダー
藤鈴呼


寒さに打ち震える なんてのは
きっと 大袈裟だけれども
何らかの 驚き話を 耳にした瞬間
サブイボが立つみたいに
自然に鳥肌めいた空気感を得る季節

コトコトと 煮込みたいの
箱の外には キャベツと書いてあるが
本日の主役は ホイコーロー
キャベツは そちらに 摂られるからね
じゃあ どうしよう
そうだ 白菜が あったよね
残り物だけれど

きっと福があると信じて
服を目一杯 着込んで
もう寒くないと 吹きかけた息が
白く凍る
未だ氷柱には 出会えない
この地は 氷点下になることが
珍しいのさ

オタマと人参が 小刻みに揺れる
シメジとジャガイモは 小躍りをして
あれ アサリが ないよ
同じキノコだからって 馬鹿にして
忘れたなんて 言わせないから

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自由詩 クラムチャウダー Copyright 藤鈴呼 2018-02-16 10:43:01
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