小さな背中
次代作吾

小さな小さな背中に大きな希望がゆったりと腰をかけていた
背中が大きくなるにつれて夢が育った
あるときは背中いっぱいに夢が満ちた
背中が現実に触れるにつれ希望と夢はとまどった
あんなにぴったりとしていたものがあやふやになって
ぶよぶよしているようで固くこわばった
そのまま時間は過ぎて
信じられない話だが時間は一定にすぎて
だんだんと背中が小さく小さくなっていく
まるで一度散らばったものが収束するように
まるで自分自身に近づいていくように
死に向かって人が小さくなるとき
涙が出るような
泣きたいような気持ちになる
小さな背中で生まれてきて






自由詩 小さな背中 Copyright 次代作吾 2018-02-15 22:16:22
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