水虫ジュク夫「冬のランナー」
花形新次

白癬菌を死滅させるために
氷点下の街を
裸足で
「わーっ!」って言いながら走り回った
赤信号だって構わなかった
「わーっ!」って言えば
大丈夫な筈だった

4トントラックと鉢合わせしたのは
ただ運が悪かっただけ

いや、むしろ運が良かった

おかげで
白癬菌はもちろん
全てが死滅したのだから


自由詩 水虫ジュク夫「冬のランナー」 Copyright 花形新次 2018-02-15 19:20:24
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