目的などない
吉岡ペペロ

爆発的に増殖したウィルスは俺のからだの免疫系と闘い敗れた

彼らが勝ったとしても人類が死滅すれば増殖する場所がなくなるだけの話だが

そもそもウィルスには目的などないのだろう

俺たちがものを測る尺度でいう目的はないのだろう


日本の人口は、2026年に1億2000万人を割り込み、その後も減り続け、ピークだった2008年の1億2808万人と比較すると、2060年にはその67%の8,674万人になると推計されている。これが、「既に起こった未来」と呼ばれている人口動態で見た日本の姿だ。しかしながら、人工知能技術の普及で、2030年までに今日本で人間がしている仕事の49%がロボットやセンサーに代替可能となることを考えれば、日本の人口はもっと減っても大丈夫だ。

冬のオリンピックを見ていると、近未来の日本は、これと似ているんだろうなと考えてしまう。冬のオリンピック種目は日頃まわりでは馴染みのないスポーツが多い。寒冷地の市町村が町ぐるみで行っているようなスポーツが多い。日本でしか通用しないような常識。それさえ崩れかけているいまの延長線上にある近未来。たまに世界から注目を浴びる日本の姿、形。たまに美しいと呼ばれたり蹂躙されたり、ちいさな胸を張らせてみたり。


爆発的に増殖したウィルスは俺のからだの免疫系と闘い敗れた

彼らが勝ったとしても人類が死滅すれば増殖する場所がなくなるだけの話だが

そもそもウィルスには目的などないのだろう

俺たちがものを測る尺度でいう目的はないのだろう







自由詩 目的などない Copyright 吉岡ペペロ 2018-02-14 23:03:36
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