金の鳥の羽に月の小指
田中修子

ときはふらりとたちよって
触れるだけ触れて 去っていく

かなしみに火傷

体ごと持っていかれそうになる そのときに
飲まれては 足掻いて

手をさしのべるのはだれ

ふくふく小さな手
やわくて うんと たしかで
小指のひきつるわたしより

冬の夜明け色の
あなたに照らされて

わたしも少し

青白くひかる 月の小指


自由詩 金の鳥の羽に月の小指 Copyright 田中修子 2018-02-12 03:02:58縦
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