サイレント・イノセンス
塔野夏子

巡礼のような瞳をした
サイレント・マイノリティたちの
胸に眠る想いの泡立ち
言葉たちがほのかな帆をあげて
ページの水平線をこえて
この岸に近づいてくるから
桟橋を差しだそう

  世界がどんな色の闇に沈んでいっても
  目もくらむような突端で
  どうしてもきらめいてしまう君のイノセンス

空を見上げたら
ひたいに透明な星がおりてくるのを感じて
歌い出すサイレント・マイノリティたち
あやうく途切れそうでいて
しなやかにつづいてゆくメロディーで





自由詩 サイレント・イノセンス Copyright 塔野夏子 2018-02-11 21:58:03
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