水虫ジュク夫「私の最期」
花形新次

自称詩人が
流れる、血の海に

錆びついた
鉄のにおいが、漂う

鳥は水の上に
平行のまま死に

羽の影だけが
大陸を目指す

騒がしい沈黙は、自称詩人の声
血を抜かれた屍の歌
生まれながらの死人の音楽

聴きたくない者の耳に聴こえ
聴きたい者は誰一人いない

蒼白の自称詩人が
細々と小さくなって
海を流れる

小魚たちが群れて
私は海に帰る

今年7月22日に












自由詩 水虫ジュク夫「私の最期」 Copyright 花形新次 2018-02-11 21:47:18
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