生きる理由は
こたきひろし

欲しいものがあって
それがただ単純に人間の女性の体だったりすると
人間の男性は品位や人格を疑われてしまう
から
人間らしくあるために
好きですとか愛してるとか
錯覚をしてそれを
オブラートに包む

雄はより多くの雌に遺伝子をばら蒔きたい
でも雌は優秀な遺伝子を選びたいのだと

学校の教科書で勉強した
それは生物の授業だった気がする
教師は未婚の女性で
その尻と胸の肉に十代の男子たちは刺激を受けた

「先生」
Kは手を挙げた
「何?k君」
「俺、先生を見てたらおかしくなってしまいそうです。どうすればいいですか?」
Kは言って顔を赤らめた
その質問に女性教師は答えた
「K君ここは教室よ。そんなときはトイレに行ってきて。別に自然な事だから恥ずかしがることないわ。そしてすませたらまたここへ戻って」
何ら動揺することなく冷静に言った

窓の外は青空で飛行機雲が遠くまで伸びていた


自由詩 生きる理由は Copyright こたきひろし 2018-02-11 18:22:22
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