幸福な夢
神坏弥生(涛瀬チカ)

幸福な夢   涛瀬チカ改め神坏弥生  
オレンジ色の陽光と闇がまぎれあう大曲時 
私たちは公園で、立って話していた
私たちの子供だったかもしれないし
私たちの子供の知り合いの子供だったかもしれない
何度も、何度も
赤い小さなバケツにスコップシャベルで
「いっぱい」、「いっぱい」砂をつめて
ひっくり返す
「ウエディングケーキ作ったよぅ」

「もう一度、結婚しよう」

その上の周りに小さいキャンドルを丸く並べてゆく
キャンドルに火を付け終わったら
私たち二人でふーって、ぜんぶ消す
それから私たちは暗闇の中で
誓いのキスを交わす

薄闇の中を手をつなぎながら二人の家に帰る

僕は、君とそれから、愛をした
かつて君がそうだったように
僕も安心して還っていった
君の無邪気な眠りの中へ
指をつなぎ合わせて
幸福な夢を見れるように



自由詩 幸福な夢 Copyright 神坏弥生(涛瀬チカ) 2018-02-11 12:42:18縦
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