Disposer
もっぷ

違和感はつきまとい
暦はいつだって市民のためにある
権利と義務とをリボンで束ねて
道と名づけ
手渡してくれる約束とは
すれ違い続け
なのにもうすでに私の上には
屋根がある
床も窓も扉も鍵も
そしてキッチンには冷蔵庫
冷蔵庫のなかには
おそろしすぎる何かが
書棚にただ一冊だけ呑み込める物語があり
羊の数をかぞえながらいくども
その絵本と心中したかつて
むなしくても座らなくてはならない椅子を焼べて
立ち入り禁止の芝生で靴を脱いでは踊る暮らし
を夢みながら
雨を待った
四季のそれをりたかった
けれど空は夕焼けの連続連続連続
どんな時にも私はいったい

どうしたかったのか

いま何をしたいの
傘屋の前で立ち止まる
ほしかった
花柄の傘がみえて
店主はそれを
やがて
包んでいる
老婦人に
鄭重に手渡して
気づけば真っ暗な



自由詩 Disposer Copyright もっぷ 2018-02-11 05:09:41
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