錯覚
ホカチャン

スーパーの駐車場でのことである
いつものようにバックでゆっくり下がって
ちょうどいいところでブレーキペダルを
踏んだ
踏んだが車は止まらない!
やはり下がり続けている
このままでは後ろの車にぶつかる
僕は今度は力いっぱいブレーキペダルを踏んだ!
それでも下がり続けている
僕は完全にパニックになった
ブレーキの故障だろうか?
それとも踏み間違いだろうか?
そうだ!ハンドブレーキを使ってみよう
そう考えている間に車が止まった
そして錯覚に気づいた
僕が車をバックさせ始めたちょうどその時に
隣に停めてあった車が前へゆっくり動き始めたのだ
それで止まっている自分の車が下がり続けているように
見えたのだった
ブレーキとアクセルを踏み間違えた!と勘違いして
アクセルを思いきり踏んでいたら
大変な事故になるところだった


自由詩 錯覚 Copyright ホカチャン 2018-02-09 14:58:39
notebook Home 戻る  過去 未来